二項定理についてやんわりと語る
大昔に学んだきり忘れていたものがありました。
数学IIといえば三角関数、指数対数、微積などなどメジャーなものが思い浮かぶが、恐らくマイナーであろうものに「二項定理」がある。
まぁそんなものあったっけかな。僕も思い出したのはつい数週間前のことでした。
たとえば二項定理とは
(1+x)^n=nC0(1)^n+nC1(1)^n-1*x+nC2(1)^n-2*x^2+........+nCn-1(1)^1*x^n-1+nCn(x)^n
は?
初見の時は9割くらいの学生が考えるのをやめそうな公式。
そもそもいざ式を打ち込むときに異様に見づらい。自分はPCやスマホで入力する際、冪乗は"^n"で打ってますが、いやそれでも勘違いすることがある。二項定理はその典型例のようなもので、^nした後にまだ式が続く。ノートに書くのであればお得意の"・"(または何も書かない)で済ませられるんですけどね。
愚痴はこの辺にしておいて、何が厄介かというと、今までは(x+1)^2、(x+1)^3は数学Iでこなし、^4、^5も己の計算能力にかけて突破してきたかもしれない。それが今回は^nなのだ。n。任意の自然数。
ということで、中1とかに「(x+1)^100のx^49の係数出してみな」とか言うと変態扱いされて軽く引かれるわけだが、二項定理を知っていればお茶の子さいさいである。
二項定理はたま〜〜〜にセンター、数検、大学入試などで問われるが、おおかたnの数はべらぼうにでかいので、すべてにおいて書きつくす必要はないと思われる。じゃ何知ってればいいのよ。一般項である。
任意の式(x+a)^nにおいて
nCk(x)^k(a)^(n-k)
そろそろ編集の限界を感じてきた。とはいえこれが一般項である。前の式より更に一文字追加されているが、kというのはx^kのkである。何を言ってるかわからないって?
たとえばさっき「(x+1)^100のx^49の係数出してみな」なんてことを書いたが、この場合だとxの49乗のことを聞いているのでk=49、と考えればよいことになる。
さすれば直前の公式に代入すると
100C49(x)^49(1)^51=100C49*x^49
となる。
まって、100C49ってなに?製造番号??
Cはcombination(ネィティブ)のC。数学Aで触れたであろう知識。…え?場合の数と確率はトラウマ??頑張りましょう。
筆者としては100C49なんて計算してると人生で大切な何かを見失いそうなので、過程は割愛します。でも二項定理なんて活躍するのこんなケースしかないじゃん!無能!!…果たしてそうだろうか?
実は次のような問題にも一瞬で対処できる。
Q.2^n > nが全ての自然数nにおいて成立することを示せ
A. 2^n=(1+1)^n
=nC0(1)^n+nC1(1)^n-1+nC2(1)^n-2+.......+nCn-1(1)+nCn(1)^0
=1+n+n(n-1)/2+......+n+1
ゆえに明らかにnより大きい。命題は示された。 [Q.E.D]
以上は二項定理を使った「二項展開」による証明方法である。単なる計算だけでなく、このように不等式を証明するまでに至るので、記述問題などでも大活躍間違いなしであろう。
・・・それ帰納法でよくね?
(P.S パスカルの三角形について調べてみると、二項展開の仕組みがわかるかもしれません)